Automne

フルートベール駅でのAutomneのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
4.8
語り尽くせない。現在のBLMにつながる大きな流れの中で起こった痛ましい事件。
黙することの苦しみ。主人公も母親もどんなに苦境に立たされても決して腐ることはなかったし、出会う人すべてにリスペクトを込めて家族を愛していた。
『ブルーバレンタイン』でライアン・ゴズリングが演じる不器用な父親像が個人的にグサっとくるので、本作のマイケル・B・ジョーダンが演ずる父親としての理想の姿(自らは社会の底辺として生きている)は胸が痛くなる。父と娘でじゃれあう姿、何気ないシーンなのに心に残るシーンが多くて感動した。かけっこ競争とか、親戚の子どもたち5人まとめて持ち上げてじゃれあったり、好きなシーンが多すぎる。だから物語にも説得力がある。どんな状況にそのとき立たされていてもそこに愛が必ずあった。
理不尽な事件だけど、世の中が変わるきっかけになったことはたしかで、その死がすこしでも報われる世の中にこれからなっていかないといけない。
名作です。
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