しみず

フルートベール駅でのしみずのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
5.0
今年一番ぶち食らった。

2009年元旦にアメリカのフルートベール駅で無実の22歳の黒人のオスカーが警官に射殺された事件を映画化したやつ。

冒頭に実際に事件を見てた人がオスカーが射殺されるまでの撮影してた映像から始まる。
そこから逆算して2008年12月31日をオスカーがどう過ごしていたかの映画。

素行は悪いながらも優しい、逆境から立ち上がろうともがいてるマジで普通の青年。
奥さんと喧嘩して、2週間前にクビになったスーパーに、もっかい雇ってくれって懇願しても断られて、家賃が払えないからマリファナを売ろうとしても、一人立ちしようと海にマリファナを捨てて、娘と遊んで、お母さんの誕生日とニューイヤーイヴを家族と祝う。
最後に奥さんと友達とハッピーニューイヤーを祝いに外で遊ぶ。
そして国家権力に不条理に殺される。

どこにでもある平凡な1日を描いてる。

平等に不条理なんて言いますけど、一人の死が周りに残す影響を考えたらお決まりの定型文なんて意味を為さないよな。

表現的には冒頭に結末を提示してるし、この映画を前知識0で見る事は無いだろうから、オスカーの死はわかってるけど、途中に不条理に殺された犬を介護するオスカーのシーンで、どうしても終始死の匂いを忘れさせないところが秀逸。
しみず

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