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フルートベール駅でのmfのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
4.0
2009年、新年を迎えたサンフランシスコの電車の中。22歳の黒人青年オスカー・グラントはかつて牢獄でいざこざを起こした男性に再び電車の中で出会い、喧嘩をしてしまう。フルートベール駅で停車した電車の中からオスカーの仲間たちは警察に引き摺り出される。オスカーたちは警察に取り押さえられるが、警察は必要以上に暴力を奮い、オスカーに拳銃が向けられ、余りに若すぎる命を落とすことになる。オスカーを打った警察は殺人罪となるも判決よりも短い期間で釈放されている。
家族も子供もガールフレンドもいたオスカー。フルートベール駅では事件の後、デモが行われている。ラストシーンには、映画の役ではない本物のオスカーの娘、タチアナがスクリーンに映る。

事実だったか、故意にそういう設定にしたのかはわからないけど、殺されたのが黒人で、殺したのは白人だった。しかしあまり種族の枠で観るべき映画ではなく、個人単体の話として観るべきだと感じた。満足いくような生活とは言えないまでも、彼には愛娘、家族、恋人、仲間がいた。罪人であろうとなかろうと、一人の命を奪うということはその周りの人たちの生活も同時に奪うことであるとひしひしと感じた。鑑賞者の殆どはきっと、彼の周囲に感情移入するだろう。
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