コバヤシ

フルートベール駅でのコバヤシのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
4.2
冒頭の映像がとてつもなく息苦しい。
この事件がとても胸糞の悪いものであるのは言うまでもなく、正直もう二度と観たくないと思った。だけど、絶対に忘れはしない。

迎える結末を知りながら観るハッピーな場面の数々よ、苦しい。

誰よりも心が優しく、周囲から愛されていたオスカー。
売人だった過去もある、遅刻で仕事をクビになる、浮気もする、彼の素行に問題があったのは確かであるが、刑務所に居た1年前と現在では大きく違うのもまた確かである。
新たな一歩を着実に踏み出していた矢先だったのに。だったのに。悔しい。

過ぎたことに「もし、あのとき…」と言っても仕方がないのはよくわかっている、だがしかし、彼の母はこの想いを一生背負ってしまうのだろう…それもまた悔しい。

「パパは?」と尋ねる娘、長い沈黙、そこに流れるヒリヒリと痛い空気が生々しかった。
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