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フルートベール駅でのmocomocoのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
3.9
冒頭で実際の事件の映像が流れ、胸が締めつけられる。一瞬にしてこれは実話なんだと重い空気に包まれる。
主人公の青年オスカーの亡くなる日の1日の出来事を描いているが、彼の良い部分だけでなくて悪い部分、弱い部分もきちんと描いているのが良かった。
特に母親との関係では、服役中のオスカーに対して母親は愛情を持ちながらも息子の自立を願って辛くあたったり(母親役のオクタヴィア・スペンサーが素晴らしい演技を見せている)、恋人との関係では、彼女に浮気を問いつめられたり、定職に就かないことを責められたり、等身大の22歳の青年の人間らしい部分がよく描かれていると思う。

娘のタチアナちゃんはとってもかわいくて、オスカーとの楽しく遊んでいるシーンを見るとこの後の悲劇を思い、幸せなシーン程つらく心にしみる。
そして、あのラストシーンは観客の心に強い余韻を残すだろう。
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