エソラゴト

プリズナーズのエソラゴトのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
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ケラーとフランクリン。同じ被害者の父としてどちらの行動が正しいのか?そんな事を自分は考えてしまった…。

ヒュー・ジャックマン演じるケラーは頼りにならない警察に業を煮やし自らの独断による暴力的行動で事件解決に奔走する。もう一人の黒人父フランクリンは自らは何も行動できずただ事態を静観するのみ。ケラーの常軌を逸した行動にも窘めはするものの妻から進言もあり黙認してしまう…。

父としての本来あるべき姿は圧倒的にケラーなのかもしれないが、本当にもしこのような事が起こった場合自分はフランクリンのような行動を取るか若しくは取らざるを得ないのかもしれない…。人間としての狡さや卑怯さ、そして弱さや情けなさを自分に突き付けられたようでしばし自己嫌悪に陥る羽目に。

冒頭からの祈祷文等随所に出てくる宗教的側面はそういった素養のない自分には読み取れなかったが、それ抜きでも2時間半もありながらダレる事なく最後まで緊張感が持続する極上の傑作サイコサスペンス。