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プリズナーズのYYamadaのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
3.8
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ◎: 観客の緊張感を煽る
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
プリズナーズ (2013)
◆サスペンスの要素:
・誘拐された娘の捜索

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・家族で幸せなひと時を過ごすはずの感謝祭の日、平穏な田舎町でひとりの少女が失踪する。
・手がかりは少なく、警察の捜査も進展しないなか、少女の父親は証拠不十分で釈放された第一容疑者の証言から、彼が誘拐犯だと確信。自らの手で娘を助け出すため、一線を超える決意をする…。

〈見処〉
①愛する娘を奪われた時、
 父が踏み越えた一線とは…?
・『プリズナーズ』(=「囚われた者たち」)は、2013年に製作されたクライム・サスペンス。
・本作は、『灼熱の魂』(2010)がアカデミー外国語映画賞にノミネートされ、世界的に注目を集めたカナダ人監督ドゥニ・ヴィルヌーヴのハリウッドデビュー作。娘を取り戻すため法をも犯す決意を固めた父父親役にヒュー・ジャックマン、事件を担当する警官役でジェイク・ギレンホールが主演。
・「神を信じ一線を踏みとどまる父」「神に背を向ける真犯人」「異教徒(フリーメイソン)として中立に俯瞰するロキ刑事(ネーミングは北欧神話に由来)」の構図にて進行する本作は、キリスト教の朗読が流れ、感謝祭に向けシカ狩りする冒頭から見られるように、宗教色が濃い、重厚なサスペンス映画である。

②結び…本作の見処は?
○: 原題「囚われた者たち」が示すように、ヒュー・ジャックマン扮する父ケラーによる拷問シーンは、目も当てられないほど狂気に満ちた演技。ウルヴァリンよりも怖い。
○: 父ケラーの暴走に引き釣られ、二転三転する捜査官ロキであるが、彼視点で物語を俯瞰すると、意外や誠実な捜査がされていることに気付き、150分を超える上映時間も苦にならない。
▲: 良作ながら、重厚すぎて再鑑賞のモチベーションが湧きづらい。
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