のき

ジュラシック・ワールドののきのネタバレレビュー・内容・結末

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ジュラシックパーク構想から約20年後の世界で、ハモンドが実現させたかった恐竜パークが遂に見れてワクワクした。前作で物足りなさを感じた壮大なスケール感も復活して、童心に帰って恐竜の世界を楽しめた。

“人間の存在がいかに幼稚で小さいかを教えるための施設”というハモンドの意思を履き違えた経営層によって、遺伝子操作された新種恐竜が生み出され悲劇を巻き起こすが、一番の被害者である生み出された側のインドミナスレックスは組み込まれた本能のまま行動していただけ。古代生物を蘇らせることとはまた別の新たな倫理問題に触れていて、メッセージ性の強い作品だった。インドミナスに襲われたブロントサウルス?が死を迎えるシーンが丁寧に描かれていたり、ストーリー全体を通して生命の尊さにもきっちりフォーカスされていた。

ハイブリッド恐竜反対派のエンジニア君が「恐竜の命名権をスポンサーに与えれば?ペプシサウルスとか」て冗談飛ばしてたけど、新種生産がもっとビジネス化したらまじでそうなるよな。ラプトルの兵器実用化を試みたり、利己的な人間の醜さがリアルに描かれていた。それにしてもインジェン社は完全に悪の組織に成り下がったなー。

ジュラシックパークシリーズを象徴する恐竜で、これまでどう猛なハンターのイメージがあったラプトルが調教されている設定、個人的にはすごくいいと思った。これまでシリーズで特に知性の高い恐竜として描かれてきたので説得力もあり、知らない一面を見れて楽しかったし、なによりみんなかわいかった。バイクで群れを先導するボス・オーウェンが超かっこいい。
他、1作目に出てきたイモムシみたいなDNAのキャラアニメーションがさりげなく登場したり、ジュラシックパーク時代の公式車jeepが再登場したり、オールドファンが喜ぶ演出も光っていた。2作目以降ベンツに変わっちゃってたの結構気になってたからjeep出てきて嬉しかった。

満を持して最後の最後でのティラノ登場は鳥肌立った。でもティラノの遺伝子がベースのハイブリッド版相手に勝つのもおかしいよなーとか思ってたらブルーの助太刀が入って、ティラノ+ラプトルvsインドミナルの構図になったのが熱かった。2匹で追い込むところまでは良かったのに、最後モササウルスが全部持っていったのは全世界が「いやお前かい」てツッコんだはず。ティラノとブルーに友情芽生えたみたいな別れ方もちょっと気になったし、何よりまだいろんな恐竜がゲージの外出たままなのにインドミナル倒れて一件落着みたいなオチがちょっとモヤモヤした。あとブルーの兄弟がみんな死んじゃったの辛い。

ラストの高台からのティラノの咆哮、かっこいい。前作でスピノサウルスにお株奪われたけど、やっぱり最恐の象徴はティラノがいい。
のき

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