私の大好きな故マイケル・クライトン大先生が「確かに『ジュラシック・パーク』と『ロスト・ワールド』って本は書いたけどね」と苦笑してそうなタイトルではありますが、安定のドル箱ネタですからして原作を飛び越えていく続編が作られるのもまぁ当然の流れだと思います。
真面目に言えばクライトンさん自身がロストワールドの時点で「好きに映画化したらええがな」言ってたらしいんで別に無問題なんでしょうが。
ストップモーションの権威、フィル・ティペットさんが「私の時代は終わってしまった…」と失意の中、「やっぱりアンタの力が必要なんだ!」とまるで何処かのスポコンものような裏話の中出来上がった『ジュラシック・パーク』、そしてやっぱり掌返して完全失業に追い込んだ『ロスト・ワールド』から20年近く経ち、今やそんな事すら忘れそうになる程の技術革新でもう本当に恐竜いるんじゃないかという映像は見事ですね。
流石に隔世の感がありますよ。
ラプトルを調教しているなんて斬新なネタも含めて、話も普通に面白いですしね。
ただ、少し残念だったのは、ちょいちょい新しいネタを放り込みながらも、大筋のところは1作目と2作目のいいとこ取りというか、リスペクトだのオマージュだのと言えば聞こえは良いけど、十数年も脚本やり直して出てきたのコレかよ、と。
特にあのイル…まぁ名前はどうだっていいんですが、例の新種の恐竜ね。
クライトンさんの無駄に凝った「琥珀で包まれた古代の蚊の血を抜き出して恐竜のDNAを採取した」みたいな「なんだかよくわからないけど納得してしまいそうになる」設定とは真逆の、小学生ぐらいの子の「ぼくのかんがえたさいきょうのきょうりゅう」みたいなのはなんなのかと。
で、そのまま一作目のデジャヴかと思うような展開。
まだ商業的には失敗した『ジュラシック・パークⅢ』の方がオリジナリティーがあってよく考えてあったなという気はします。
ま、商業的な成功大事なんでね。
クライトンさん大好きな人間の愚痴ですけどね。
ただ、クリス・プラットくん演じる主人公がラプトルを制止するシーンが元になり、世界中の動物園などでネタとして真似されたのは大変良かったと思います。
お気に入りはクリプラ君と服装までそっくりなウッドランドパークのペンギンの写真(どうでもいい)