Solo1968

ワン チャンスのSolo1968のレビュー・感想・評価

ワン チャンス(2013年製作の映画)
1.6
感動出来る実話の映画化

というので見てみたものの、僕にはあまりかすりもしない作品だった。

見終えてその理由を考えると、三つあった。長い、。

1.長くレコ屋に勤めていた為、本作の元となるポールポッツさんのCDがリリースされてそれこそヒットしていた時期を体験しており、こういったオーディション番組で、登場の時の失笑から歌唱後の大喝采→一躍時のひととなり大ヒット、、すなわちミュージシャンでなく、タレント的なその時だけの瞬間風速もののアーティストは売り手としても毛嫌いしていたこと。勿論今もそれは変わらない。
その手の音楽ではいくらでも心から感動出来る演奏力や歌唱力、表現力 カリスマ性 オリジナリティ、聴く耳があれば、誰でも自分の心を動かす音楽に出会えるはずだけど、悲しいかな日本の文化で、朝のバラエティー番組の司会者の短い絶賛コメントが何よりの宣伝になってしまうこの文化にはうんざりで、特にその中身でなく、注目される経緯が購入理由というのが全く理解不能で、このポールポッツさんの後のスーザンボイルさん、然り 素人離れした歌唱力は勿論だとは思うけど、ろくにオペラを知らない自分が、それこそ第一線のオペラ歌手のそれと比べた事もないので、世界中でこのアルバムを買った人は歌に感動したのか、その経緯、話題で買ったのかといえば後者が圧倒的で、後に日本中の度肝を抜いたあのゴーストライター騒動も、個人的には 逆に痛快に感じたくらい。
音楽は音なのでね、メディアが作ったくだらない感動エピソードを購入きっかけにだけはしたくないなとそんな事も思い出した。
長っ、、。

その2
自分自身がオペラを始め、クラシック音楽への知識や興味が全くないことで、作中で出てくる歌唱シーンなど、耳馴染みのないものなので、ハイライトのコンテストシーンの再現すらも前半の歌唱シーンとの違いも分からない耳なので、残念ながら感動にはならず。

その3
簡単な作品解説にあった、
幼少期から友達もおらず、不器用で心が綺麗で、、云々。
作品の意図なのか?そういう辛いシーン、印象づけをさせる場面は少なく、割と普通に思えたし、苦労面の演出なども比較的少なく、故にオーディション番組での躍進なども、長年の苦労がやっと実った!という感慨深さを感じられず。

良かった点は

作品を通して
青を意図的に多く入れ込んだのか?
主人公、恋人、勤め先、その向かいの店、車、電車、プレゼントでもらう蓄音器?など、日本ではあまり使われない海外らしい美しい青が至る所に多く出ていて綺麗だった点。
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