クロフネ

クジラのいた夏のクロフネのレビュー・感想・評価

クジラのいた夏(2014年製作の映画)
2.0
東京に対する根拠のない幻想が嘘っぽくて、いまひとつ乗れませんでした。劇中「東京」という単語がたぶん50回くらい登場します。2014年当時ってそんな認識だったっけ。
むかし好きだった女子がことごとく風俗で働いていたりするのはなぜなんでしょう。しっかり生活に根ざして生きている彼女たちと比べて、男子連中のモラトリアムでしかない認識は、制作者が抱いているかもしれないなにか負い目の表れなんでしょうか。彼女たちの描き方が紋切り型であるがゆえに、女子に対してとても失礼な感じがしました。
加えて、ほろ苦くはあるけど前向きな気持ちになれてよかったみたいなあの結末は、たとえこの映画がコメディーだとわかった上でも、あまりにも安直すぎるのではないかと思いました。
タイトルにあるクジラに関するエピソードも物語とのつながりはほとんどなく、ほんわかした甘酸っぱい青春映画を撮りたかったという制作者側の意図だけは十分に伝わりました。
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