ふじべん

太秦ライムライトのふじべんのレビュー・感想・評価

太秦ライムライト(2013年製作の映画)
4.4
・太秦ライムライト (2013年)
一流の斬られ役福本清三をモデルとし、チャップリンの名作「ライムライト」をオマージュした作品。
まず前半は、時代劇制作の裏側が描かれており、いち視聴者として知らない事が多く面白かった。

話はこうだ。ひとつの時代が終わり新しいスポットライト(ライムライト)が当たったとき老人(ベテラン)は去るしかない…そう、世の中の必然なのである。
役者の世界もまた、その運命を避けられない。残りの時間が見えてきても、与えられた瞬間をベストをつくし、一生懸命にやりとげ、次の時代にも光を当ててやり、最後の舞台になるまで立てればそれで本望。。そんな人間ドラマが太秦を舞台にうまく表現できていた。

ラストシーンでは70歳を越えたベテラン俳優2人の過剰気味な演技と緊張感のある音楽、伝統的な演出と日本の美がいくつも重なり、とても美しかった。
最後、主人公が田舎に帰り、子供相手に追いかけるシーンの儚いことといったら涙無しでは見られない。時代劇ファンには絶対見てもらいたい作品である。
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