メイプルわっふるG

オールド・ボーイのメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

オールド・ボーイ(2013年製作の映画)
3.4
[2020.07.25]
シネフィルWOWOW 特集「新旧見比べ映画」
『オールド・ボーイ』(2003韓)のリメイク
原作コミック『ルーズ戦記 オールドボーイ』は昔読んだものの内容覚えていない

さすがハリウッド。映像もストーリーも洗練されてすっきりスマートに。その分、強引な展開や荒々しさが醍醐味だった韓国版の痛快さはダウン。別モノと考えて気分に応じてチョイスしたい作品。

私的一番の改善は、胡散臭い催眠術がなくなったこと。諸々のパワーダウンを覆す最大功績。
他、冤罪のための仕込みや年月の経過など、説得力が増している。

主役がダメっぷり全開スタート。黄パラソルは『IT/イット』を彷彿。サミュエル・L・ジャクソンの狂気成分が不足気味だけど、メイン食っちゃうから仕方ない。

私的一番の残念省略は、ヴァイオレンスハンマーの抜歯シーン削除。これ、最大の見せ場だと思っていたのに。技術向上したハリウッド版ともなれば、どんだけグロくてエグいものに仕立て上げてくれるかと期待していたのだけれど。
反撃のサミュエルカミソリも大金と引き換えに中止。ここはむしろ踏襲したことを残念。
あと、アリ登場しない。

オマージュの多さは2003年作のリスペクトをとても感じる。ただ、泥臭い部分をスタイリッシュにまとめ過ぎて、もうストーリーと関係ないじゃん、ってツッコミどころも。
水槽のタコには笑った。生食どころか生きたまま踊り食いまでした韓国版。ハリウッドじゃ厳しいよね。
ドラゴン餃子と食い倒れは踏襲。
監禁扉下の窓口攻防が短め(確かに韓国版は長かった)。
ボールペンでブランディング。当初のスカリフィケーションはただのリスカか。
トランクケースがリッチなルイ・ヴィトン。自殺志願と小型犬は不在。
チンピラがスポーツマンに。
ハンマーげっと。モンテ・クリスト伯。
対集団戦のハンマーバトル&背中ナイフ。長回しに拘ったせいか、ちょい殺陣が合ってなかったり。でもやりたかったんだね。


前作の「傷つける側は他人事だから忘れ去る」っていう社会への皮肉に対し、今作では「テレビで見たものを人は何でも信じてしまう」という風刺。この論点の変化で、ちょっと訳わからないことに。
前作の「忘れ去った過去」を思い出させるゲームに対し、今作は「この瞬間を見たかった」のだと。
プライス一家は"父娘の関係含め愛情あふれる家庭"ということで、美と純粋の共有、父は偉大なる人間、と明言している。
となれば、自分と同じように主人公に近○○姦させるのは、価値ある素晴らしい行為を与えるということ。
それを復讐と言ってしまったら、自分が忌むべき事をしていたって認めてしまうことになるのだけど。
字幕の翻訳上で省略されているのか、見落としてしまったのか。韓国版の姉弟では復讐の矛先に納得だったけれど、今回はよく分からない。ディレクターズカット版や完全版などがあれば改めて見てみたいな。


鑑賞 2020.07.25 シネフィルWOWOW
鑑賞 2017.03.27 FOXスポーツ&エンターテイメント