しろみさかな

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札のしろみさかなのレビュー・感想・評価

3.5
最近皇室問題が話題になりました。雲の上の存在で、全く考えもしなかったのですが、最近よく考えるようになりました。この映画を見ても、庶民(女優さんだったから庶民と呼べるのかは…)から皇族になったグレースケリーの、精神的にも身体的にもキツさが伝わってきます。しかも外交は頭脳戦。頭が硬い夫を上手く転がし、国を背負う大変さ…。いやぁ…頭が上がらないのです。
自分がやりたいことだけやっていたらいいのは、独り身の時だと思います。家族が出来たら守らなければならないし、社会での自分の役目を全うしなければならない。逆に言うと、女性であり女優であったことは彼女にとって、仕事では無く武器だったのだなと思いました。日本人はあまり顔に出さないですが、海外の方は表情でも会話をしていると思います。カードを見ながら表情を変える演技をしているのは、本当に圧巻でした…これぞ女優…。恐ろしいなと思えるくらいに。
前半はなんだか頼りないニコール・キッドマン姉さんが、後半で強い女性になったところでようやく面白くなりました。これこれ!姉さんはこうでなくちゃ!と(笑)
割に短くてシンプルで見やすかったですが、歴史を知らないとちと退屈な映画かなと思いました。わたしも歴史は詳しくないのでよく分からなかったですが、演技や美術、衣装を見るのが楽しかったです。
余談、舞踏会の時階段を降りてくる姉さんの足元、ハイヒールでは無くて布のカンフーシューズのようなお靴だったのが驚きました!当時のお召し物はあんな感じだったのでしょうか…。
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