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エージェント・ヴィノッド 最強のスパイのBaadのレビュー・感想・評価

3.8
DVD販売に先駆けての2週間限定公開が延長ということで、どうしても見たかったので六本木まで出かけてみてきました。

なんか、人名が多くて難しいとか、混乱するとかいろいろ前評判があって心配していましたが、『裏切りのサーカス』と較べたら全然楽勝でした。挨拶とか、ちょっとした現地語の知識があったら訳さなくてもオッケーな部分で字幕がなかったので、その辺少し不親切かな、と思いました。(インド周辺だと挨拶の言葉で宗教とか、出自がある程度わかります)

割ときちんとした造りで、外国の撮影の部分でのヒンディー語と現地語のバランスとか、よく考えてあるみたいでした。みんな最初の台詞は自分の言葉でしゃべって後ヒンディー語ってパターンのようでした。

後ロケも割と現地でやってたみたいですし、この辺の自然さはインドが全方位外交をしている賜物かと。ロケシーンは映像見ているだけでも楽しくて、映画館で見て大正解でした。

スパイ合戦の方は割と脚本手堅かったですが、主人公のヴィノッドさんが割と真面目で従って話も堅めなんであんまり想定外の展開はなかったです。

ダンスシーンも結構あったんですが、スパイ合戦+真面目な恋愛ものみたいな筋なのに最後をボンド風に決めているのにはさすがに無理があったかな、と。

アクションシーンもがんばっていて、サイフ・アリー・カーンは年齢の割には体型もスリムで動きが機敏なので、とても格好が良かったです。(このへんは、3カーンに勝っています)

『タイガー 伝説のスパイ』と同じくインド情報局のスパイとパキスタンの女性の恋がメインですが、この映画の映画を下敷きに娯楽映画的にこなれていない部分をうまくアレンジしたのが『タイガー』なのかな、と思いました。

話に破綻も無かったし、サイフも格好良かったし、カリーナの演技も衣装も良かったし、アイテムガールの女性がとても感じが良かったので、スパイものにしては珍しく楽しめました。殺されちゃうインドの情報局のスパイ役の男性、目に力があってとても印象的でした。

欲を言えば、丁寧に作りすぎて娯楽性が今ひとつ、ということはあるかもしれません。

イギリスのスパイものより技術的には凝ってないのに評価が高くなったのは、インドのスパイものは歴史的な経緯から国家の為に働くのが正義、と割と素直に見ていて感じられる為娯楽映画として単純に楽しめるということがあると思います。そういう意味では分野としては膨らませやすいはずなので、わざわざ007のまねをしたのは大きなマイナスですね。

英米の映画だと、国家のために働くことは陰謀や策略にしか見えないから、映画自体出来が良ければ良いほど、そんなにゆとりあるんだったら他のことに頭使ったら、といいたくなってしまいますしね(苦笑)。

(かなり真面目なスパイものボリウッド映画 2014/2/27記)
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