三隅炎雄

波止場の鷹の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

波止場の鷹(1967年製作の映画)
3.7
田宮二郎の『勝負は夜つけろ』(井上昭)と同じ生島治郎の小説を原作とする西村昭五郎の佳作ハードボイルド。裕次郎・ルリ子主演で序盤は馴染みのムード・アクション様式美で進み、徐々に生島タッチのハードボイルド系アクションに姿を変えていくのが面白い。田宮版との一番大きな違いは後半にあったミステリ的仕掛けが消えてシンプルになっていることで、これはこれで納得させる脚色(小川英・中西隆三)になっており、新しい裕次郎映画が摸索されていたのが分かる。終盤の裕次郎アクションはちょっと儲けた気分だ。
裕次郎を終始支える善人(!!)安部徹がとても良く、彼と郷鍈治との死闘が泣かせる。ファムファタル役のルリ子が息を呑む美しさだ。
三隅炎雄

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