すずきひろし

ファーナス/訣別の朝のすずきひろしのネタバレレビュー・内容・結末

ファーナス/訣別の朝(2013年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

hulu観賞。貧乏も、不運な事故も、恋人との別れも、ひたすら受け入れ、無口に運命に耐え続けるクリスチャン・べールが、弟を殺され、とうとうライフルを手に復讐する、極めてシンプルで地味な話なんだけど、豪華なだけでなく最適なキャスティングと、細かく丁寧な演出で、最後まで惹きつける。パールジャムのエンディング曲がバッチリ決まってます。

ウィリアム・デフォーの、良い人でも悪い人でもあるような人物像や、恋人のゾーイ・ゾルダナを奪ったフォレスト・ウィテカーと、3人で食事をするシーン、弟を殺す悪党のウディ・ハレルソンと、彼を追い詰めたクリスチャン・ベールが、弟を通じて、一瞬、意思疎通したかのようなシーン、そういう細かい描写が、地味なんだけど良いですね。

最後、クリスチャン・ベールがウディ・ハレルソンをヘッドショットする前に、しばらく草をむしる、つまり、激情にかられた復讐では無く、他に方法が無い、という諦念であり、それは殺される側のウディ・ハレルソンも共有しているんですよね。ギリギリの生を生きる者達のルールというか。