sei

プールサイド・デイズのseiのネタバレレビュー・内容・結末

プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

物語はシンプルでわかりやすく、外国人ノリはありつつも日本人でも感情移入しやすい演出が多々あり、テンポも良かったため観やすかった。

また、主人公を高みから見下ろす義父と、主人公と同じ目線に立つオーウェンの対比が上手く物語のドラマ性を深くすることに成功していると感じた。

そして、リゾート地において根無し草のように描かれている母と主人公であるが、母は義父と繋がろうとし、主人公は外の人間であるオーウェンと繋がろうとしてお互い違う方向を見ながら物語は進んでいく。
しかし、最後は2人で同じ方向を見て終わり、また義父とは違う方向を見ている。
このラストが示唆するものは単純に考えると離婚ということだと思うけれど、後ろ向きでも前に進んでいるという画は面白く、興味深く感じた。

メッセージとしては、自分というアイデンティティーの解放、そして幸せへと進む勇気というありがちなメッセージではあるが、the way way backというタイトルを体現し、これらのメッセージを清々しくきっちり伝えるという青春映画は希有であると感じた。

ただ、義父のキャラクター像がそこまで深掘りされていないため、対比の降り幅が若干狭いと感じ、もっと深ければ感動も大きくなるのではと思った。
また、義父の娘は主人公と敵対する関係であるが、娘のキャラクターがそれほど立っていないため、主人公と娘の物語が薄く、欲を言えばここももう少し上手く回収して欲しかった。

しかし、全体的に秀逸で気構えせず鑑賞でき、何かと再び観たくなる魅力のある作品だと感じた。
sei

sei