安堵霊タラコフスキー

ハーモニー・レッスンの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ハーモニー・レッスン(2013年製作の映画)
4.5
新作でエミール・バイガジンがヴェネチア受賞を果たし、その作品が東京国際映画祭で上映されるということで、この作品を思い出した。

確か2013年の東京フィルメックスで見たと記憶しているのだけど、カザフスタンの風土や構図に重点を置いて撮られた映像は寒々としていながら実に美的で、ブレッソンを思わせる客観的な描写も良い切れ味があり、特に後半の拷問シーンは今のでも記憶に残っているくらい印象的だった。

さすがに5年も経っていたら記憶も朧げになっているけど、良かったというか自分の好みだったことはしっかり覚えているから、また機会があったら是非見たいし、今度の新作もできれば見逃したくはない。

それにしても東京フィルメックスではここだけの上映に終わって劇場公開はされない映画も多いけど、この映画もそれに該当してしまった作品で、あそこで見ておいて良かったと思うと同時に何故ミニシアターとかでも全く上映されなかったのかと不思議に思う逸品だった。