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『ハーモニー・レッスン』に投稿された感想・評価

[カザフスタン、大人も子供も暴力まみれ] 90点

大傑作。2013年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。エミール・バイガジン初長編作品。13歳のアスランは村で祖母と暮らしている。家の周りには見渡す限り平野が広がっている。平和な風景だ。ある日、健康診断を受けることになったアスランは、勃起についての謎の検査で同級生たちに笑われ恥をかく。一方、そんなアスランを学年のボスであるボラットは除け者にしようと動き始める。そうして、自分の中にも外にも問題を抱えてしまったアスランは、一方で虫を虐待し、冒頭の健康診断で登場した両手を広げて目を瞑り片方ずつ折るという謎の検査を繰り返すことで自分が正常であることを確認しようとし(多用される印象的な鏡を見るショットは自分の現在地を見つけようとするかのようだ)、他方で都会から来た転校生ミルサインやボラットに虐められているマディとの静かで奇妙な友情を育むことで外の問題とも対面することになる。ボラットもまた、学校を支配する上級生の双子兄弟や謎の卒業生の勢力争いに巻き込まれ、同級生からカツアゲで巻き上げた金を上納するという支配構造に取り込まれている。彼らの暴力による支配構造は苛烈そのもので、無視というイジメによってそこから外されたアスランがマシに思えるほど。しかし、アスランもまたその暴力の環に自ら飛び込んでいく。
本作品は子供たちの世界では完結しない。ムスリムでありながら、女生徒がヒジャブを被るのは認めない女学校長、授業で銃弾の構造を教える教師、学校に乗り込んできてカツアゲする卒業生、暴力で自白を絞り出そうとする警察など、全ての社会構造に暴力による支配が織り込まれ、切り離せないようになっているのだ。まともな人間は疲弊して取り込まれていく。正に地獄。後ろを平面にして奥行きを消したショットや人間のバストショットが多く、そういった閉塞感も本作品を地獄へと誘う。

奇妙なことに、只管に互いを自分を消耗させる不毛な争いしかない作品でありながら、隣に並んだ二人の人物が同じ動きをしたり、好きな女生徒が踊り狂う夢を観たりと、ダルジャン・オミルバエフ的な"人間のおかしみ"を描くシーンがたまに挿入される。特にこのアクジャンという女生徒は、支配的な女学校長に反抗するなど、一人暴力の支配構造から外れる動きを見せ、本作品唯一の希望として輝いている。ラストのブリュノ・デュモン『アウトサイド・サタン』みたいな"奇跡"はなんなんだ?
Cem

Cemの感想・評価

4.5
カザフスタンの映画初めて観たかも。
自然豊かで寒々とした風景、陽が差し込むショットが美しい☆*:祖母に育てられる13歳の繊細で寡黙な少年が学校でイジメられているんだが、校内に犯罪組織みたいな不良がいて学生から金品を集め暴力もふるうのよ。こんなの恐ろしくね?少年が羊を殺し皮を剥ぎ内臓物を素手で取り出すっていう冒頭から圧巻だし、ゲロ吐きも生々しくキツイ。犯罪を認めろと少年に拷問する警官。壊れていく心。カザフスタンで生きぬくのは過酷だ。
新作でエミール・バイガジンがヴェネチア受賞を果たし、その作品が東京国際映画祭で上映されるということで、この作品を思い出した。

確か2013年の東京フィルメックスで見たと記憶しているのだけど、カザフスタンの風土や構図に重点を置いて撮られた映像は寒々としていながら実に美的で、ブレッソンを思わせる客観的な描写も良い切れ味があり、特に後半の拷問シーンは今のでも記憶に残っているくらい印象的だった。

さすがに5年も経っていたら記憶も朧げになっているけど、良かったというか自分の好みだったことはしっかり覚えているから、また機会があったら是非見たいし、今度の新作もできれば見逃したくはない。

それにしても東京フィルメックスではここだけの上映に終わって劇場公開はされない映画も多いけど、この映画もそれに該当してしまった作品で、あそこで見ておいて良かったと思うと同時に何故ミニシアターとかでも全く上映されなかったのかと不思議に思う逸品だった。