み

インサイド・ヘッドのみのレビュー・感想・評価

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)
5.0
今まで観た映画でいちばん泣いた
最後の方とかなんで泣いてるのかわからないまま泣いてた
ライリーよかったね

我慢を美徳とする、自分を殺すのがよしとされる日本の精神文化の中で、自身の本当の感情(例えば悲しみや怒り、不安)を押し殺して、いじめ抜いて、鬱になりながらなんとか生にしがみついているような人がたくさんいるのではないかと思う。そんな人たちに本当に観て欲しい映画だな。全ての人の悲しみや怒りや不安が、否定されずのびのびできますように。無視したり否定しないで、どんな感情も抱きしめてあげられたらいいな
今だけ金だけ自分だけ病が巣食う社会(特に政治家達)と、そのせいで起こっている社会問題も突き詰めれば一人一人の心に端を発するものだと思う。なんか言葉にするのが難しいけど、みんながもっと自分の感情をあたたかく受け止めてあげるようになることは、社会の平和と幸せを目指す過程ですごく大切なはず。

人間の脳内というか精神って、実はこんなに、いやこの映画で描かれてるよりも遥かに広大で、宇宙のように広がっているのだと思う。1人の人間って、社会の文脈で?考えるとすごくちっぽけな歯車の一つで取るに足らない存在に思えることもあるけど、本当は存在それ自体が一つの小宇宙で、唯一無二の歴史を重ねてきた、大切にされるべき存在で。

"かなしみ"を感じると後ろ向きで嫌な気持ちになるからといって、そういう感情を否定して、いじめて、心から追い出そうとすると目の前の全てが色褪せていく。感情を感じることすらできなくなって、生まれ持ったわくわくや大切な思い出もどうでも良くなっていく。それがわかりやすく映像化されてた。ライリーが鬱になっていく過程を見るのがしんどすぎた。ポップな色彩やギャグが挟んであるのが救い。

「心に湧き上がる感情はどれも本当に尊くて、感じてはならない感情なんて一つもない」こんなメッセージを子ども向け作品にこめてくるピクサーすごすぎる。小さい頃観ても意味わからなかったかも知れないけど、小さいうちに一度観たかったな。「感情を押し殺すと、感情が便秘のように溜まっていって、体が本当に重く感じるようになっていく」っていうのは最近カウンセラーの先生に聞いたこと。本当のことだなって確信がこの映画を観て強まった。
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