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007 スペクターのなおのレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
4.2
007シリーズ第24作。
題名を読んで字のごとく、ボンドの宿敵である秘密組織「スペクター」と、その組織を束ねるボス、エルンスト・S・ブロフェルドとの戦いを描く。

ちなみに、ボンドとブロフェルドの直接対決を描くシリーズ作品は『ネバーセイ・ネバーアゲイン』が最後であるので、実に32年ぶりの戦いとなる。
(”3代目”ロジャー・ムーア主演の『ユア・アイズ・オンリー』でもブロフェルド「らしき」人物は登場するが、権利の関係でこの人物はブロフェルドとして扱われていない)

✏️お久しぶり、スペクター
恐らくクレイグ・ボンド作品では初の、きちんとしたガンバレル・シークエンスで物語は幕を開ける。
やっぱり007シリーズはこれがなくっちゃ。

さて、ボンドが所属するMI6とスペクターの戦いを描く本作。
息もつかせぬアクションや各シーンにピッタリとマッチした劇伴は迫力たっぷりで、約2時間半という時間を感じさせない魅力がある。

ストーリーもイイ。
相変わらずボンドは好き勝手やるので、いつも通り孤立無援になるのはもはやクレイグ・ボンドの”お約束”と化しているが、本作ではMにQ、マネーペニーらもしっかりと表舞台で活躍。

MI5の新責任者、”C”ことマックス・デンビーの策略により、00(ダブルオー)部門はおろかMI6自体も「時代遅れの組織」として存亡の危機に立たされる。

前作にて殉職したジュディ・デンチ演じる”M”はじめ、これまで指令の名のもとに散っていったスパイたちが必死に守り続けてきたMI6という組織を存続させんとするMらの奮闘には感動。
それだけに、MI6の本部が爆破されるシーンはCGだとわかっていても非常に切なく、胸に迫るものがあった。

ボンドも自らの過去と戦い続ける。
自身に残る数少ない「家族との記憶」、そしてその記憶の隙間に入り込み、ボンドのこれまでの人生に密かに関与していたことを告白するブロフェルド…

ド派手なアクションシーンだけでなく、過去と敵と戦うボンドの姿を追う、硬派なヒューマンドラマとしての一面は本作も健在。

☑️まとめ
先述の権利関係のイザコザで、「スペクター」という組織の名前およびその関連人物は007シリーズに使用することができない、という歴史があった。

しかし本作の制作にあたり、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)が同権利を買い取ったことにより、本作の完成に至った。

MGMが権利を買い取ってでも再登場させたかった宿敵・スペクター。
いつの時代も不変の「ヒーローvs宿敵」という取り合わせを扱った本作、面白くならないわけがない。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2023年鑑賞数:15(4)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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