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007 スペクターのtakeachanceのレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
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映画『007』シリーズの24作目。
ダニエル・クレイグが007を演じる作品としては第4作目。
謎の巨大組織「スペクター」を束ねる
ブロフェルドが久々に登場するのが見どころ。
「原点回帰」ということで、
初代ボンドことショーン・コネリー時代の作品の
オマージュが場面の節々に散りばめられている。

脚本が残念の一言に尽きる。
前作の『スカイフォール』が素晴らしかっただけにもったいない。
制作費が007史上最大の370億円を突破したそうだけど、
大金をかければいい作品が出来るというわけでもない、
という見本のような映画に仕上がっている。
新旧ファンが両方とも満足するように作り上げる
というのは、やはり難しいことなのだろう。

スワン役のレア・セドゥが、今から最後の決戦という場面で
唐突に007に別れを告げて一人立ち去る、
という展開がよく理解できない。必然性を感じない。

高速ボート上から、ヘリコプターをワルサーPPKで撃ち落とす、
しかも真っ暗な夜に、というのはちょっと受容できない。
暗黒時代の007シリーズの既視感、ご都合主義な展開があった。
それとも、これこそが007シリーズの特徴だったか。

モニカ・ベルッチもすぐに画面から退場してしまうし、
ボンドガールのレア・セドゥがあまり魅力的に見えないのが残念。
好みの問題なのかもしれない。

女M役のジュディ・ディンチが前作で退場した代償は大きいなと感じた。
今になって考えれば、彼女の存在が画面に緊張感を与えていたんだ。
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