あでゆ

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊のあでゆのレビュー・感想・評価

3.6
ヘンリーは、過去に伝説の海賊ジャック・スパロウと旅をした父のウィル・ターナーの呪われた運命を、何とかしたいと考えていた。そこで海にまつわる伝説を調査したところ、呪いを解くには伝説の秘宝“ポセイドンの槍”が必要なことがわかる。その後、英国軍の水兵になったヘンリーが船に乗っていたところ、“海の死神”サラザールの襲撃に遭う。

個人的なシリーズのランキングとしては、完全に記憶だよりだが4>1>5>3>2と言ったところだろうか。おそらく『生命の泉』が一番好きというのは自分くらいなものだろう。
4作目ほどではないが、最初の三部作と比べると話がコンパクトに纏まっており、単体で解決する一作のため割と好み。ただウィルの切ない呪いが話として好きだったので、それが解決してしまうのはやや寂しさがある。

まずヘンリー・ターナーとカリーナ・スミスの新キャスト陣にあまり華がないのが惜しい。というかウィルとエリザベスに意図的にかぶせてるんだろうけど、劣化版にしか思えないので二人のキャラは大きく変えても良かったと思うんだよな。オーランド・ブルームはカメオ程度だし、キーラ・ナイトレイが出ていないのも最新作としては寂しさがある。

一方でハビエル・バルデム演じるサラザールはとても魅力的だし、何より今回はバルボッサが最高に美味しいところを持っていく。『GotG Vol.2』のヨンドゥをちょっと思い出してちょっとウルっときたりした。
ストーリーとしてもジャックの誕生に遡ったり、ブラックパールが復活したりと注目ポイントが多い。ラストでウィルが歩いてくるシーンも、もはや貫禄を身に着けたオーリーによく似合い、かなりキマっている。

『最後の海賊』というのもダブルミーニングで、一時代の終わりという意味もあるし、サラザールが逃した文字通り最後の海賊がジャック・スパロウなんだよな。こういう観ているとタイトルの意味がわかる系展開は正直かなり好きです。

家を盗むシーンやギロチンのくだりなど、相変わらずドタバタシーンが過激で見どころは多い。従来どおりアイデアにも富んでいるため、観ていて全く飽きが来ない。
後半の方は物語が渋滞しだすのもシリーズお決まりのところか。そもそもポセイドンの槍ってウィルを助けるためのものだったよな?気づいたらハビエル・バルデムのコンパスの呪いも解くという話になっていて、何でも解決するやん!っていう。シリーズちゃんと覚えていればこの辺はわかるんだろうか。
シリーズと比較すると、人が大勢死んだ気がするが、このあたりも気のせいかもしれない。

そういえばこの監督初めて知ったけど、粗さはあるもののよくここまで撮りきったなあ。
というかエリザベスに背を向けて寝るなよウィル……。
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