湯っ子

(秘)色情めす市場の湯っ子のレビュー・感想・評価

(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)
3.7
ロマンポルノの傑作と名高い本作。割と知られていることのようだけど、橋本愛ちゃんのイチオシなんだとか。

本当にたまたまなんだけど、「山の焚火」の後にこれを観たので、なんで私は姉弟のまぐわいばっかし観てんのか、実際自分が姉で弟いるのに気持ち悪くないんかい、と自分にツッコミ入れつつ鑑賞した。あちらは人里離れた高い山の中、天に近い場所で起こってていたことだけど、こちらは泥と汚物にまみれ、絶えず人々に踏み付けにされる地面を這うような場所で起こる。
共通してるのはどちらの姉と弟も、その最中にはとてもしあわせそうだった。

ヒロインのトメの説得力。手塚治虫の「ばるぼら」は、物語の語り手美倉により、「都会が何十万という人間を飲み込んで消化し、垂れ流した排泄物のような女」と表現されるが、本作のトメがまさにそんな女のような気がした。信じてもらえないかもしれないけど、褒めてます。

正直、私にはそこまで刺さらなかった。やっぱり悪趣味に感じたし、あそこまでしなくても本作の中核にあるものは描けるんじゃないかと思ったら、衝撃よりも冷める気持ちがあった。
それと、フェミおばさんとしては、やはり宮下順子のエピソードは受け入れがたい。でも、彼女とヒモ男の行く道を、ダッチワイフを抱えてついていく元カレの画なんかは良かった。もちろん映像がカラーになるところも。
今回発見したけど、宮下順子とムン・ソリって似てますね。
湯っ子

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