チッコーネ

(秘)色情めす市場のチッコーネのレビュー・感想・評価

(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)
3.0
ロマンポルノの問題作に寄せられる偏愛には、ノスタルジアが多分に含まれることが多い。
しかし本作は警察も撮影中止を求めたという危険地帯・あいりん地区でのロケが大いに物を言っており、ヒロインの破滅的な生き様がリアルに迫り来る…、その意味で時代を超えるパワーを有す作品だった。
加虐的な濡れ場が再三挿入されるのは70年代ポルノの傾向だから致し方ないとして「反抗声明」がボソリと提示される冒頭から終盤まで、荒涼とした叙情漂う場面が多数。
ヒロインと種違いの弟が、スラムから賑わう大阪都心へ向かう場面のみモノクロからカラーへ転換するのだが、芹明香の赤い口紅が婀娜っぽく、強い印象を残した。