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(秘)色情めす市場のtwitwilightsのレビュー・感想・評価

(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)
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2018年の「孤狼の血」(白石和彌監督)に、「警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ!」でお馴染み(笑)、監禁された「加古村組」の構成員吉田(音尾琢真)が、大上(役所広司)に◯◯を◯◯されるシーンがあるのだが、この吉田という男(キャラクター)に初見時から感じていた既視感があった。本作での地回りヤクザ、浅見(高橋明)にそっくりなのである。まあ、ステレオタイプといえばステレオタイプなチンピラヤクザ像ではあるし、白石監督が意識されたかどうかは不明だが。

また、2019年の怪作「岬の兄妹」は、本作の見事なパスティーシュであると信じて疑わなかったのだが、片山慎三監督インタビュー(inahoradio.com)によると、ロマンポルノはそれほど観ておらず、“めす市場”も製作途中に観た、と語っていて驚いた。スコセッシ「ミーン・ストリート」や、イ・チャンドン「オアシス」の雰囲気を着想にしたのだと。さらに驚いたのは、初期イメージは川島雄三の重喜劇だったという事実で、映画作りの変遷を辿ることで得る至福を十二分に味わったのだった。
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