三樹夫

徳川いれずみ師 責め地獄の三樹夫のネタバレレビュー・内容・結末

徳川いれずみ師 責め地獄(1969年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

石井輝男の放つ異常の世界。石井輝男が好きなサディズムが96分続き、物語構成が入り組んでいてというのもあるけど、正直ストーリーが頭に入ってこない。貞操帯を付けられた女の何故貞操帯を付けられたのかという過去話から始まり、陰と陽のいれずみ師のいれずみバトルに着地。作中いれずみ御前展覧会なるものが開かれ、陽のいれずみ師彫秀(吉田輝雄)と陰のいれずみ師彫辰(小池朝雄)が火花を散らす。僕は彫辰の陰のいれずみデザインの方が好みです。最終的に彫秀も陰の世界へとどっぷり浸かっていき、アングラボディペインティングみたいないれずみかまして、人間が大量死して、竹股裂きで完と終わる。作中のいれずみデザインが凝っているのもそうだし、ガラスの床越しのショット(鈴木清順かな)などモダンアングラなセンスが炸裂しているのがカッコいい。
作中一番占められているのは、女が責め苦を受けるシーン。ほんと石井輝男ってサディストね。それを金持ち連中が上から下から眺めて愉しむという、変態有段者の夜会が開かれていた。女の肌にいれずみが彫られるフェチズムはこの作品にはないが、他社他監督になるが『子連れ狼親の心子の心』で描かれている。
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