マイケル・カーティス監督による、【フィルム・ノワール】の代名詞的逸品。
OPクレジットから犯人と思しき【黒革手袋】をした手のショット。
冒頭の壁を這うような人影のみでの犯人の動向、そして、近づく影、ドアに立つ犯人のシルエット、実行される秘書のロズリン殺害と受話器を置く黒革手袋の手、そして、シャンデリアに吊るされて揺れるシルエットがショッキングな恐怖演出満点スタートだ‼︎
ベルが鳴る黒電話〜ピッカピカの机に【犯人の顔】を一瞬(0.何秒)映し出すカメラ。
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当時としては、何とも大胆不敵な演出(脚本)の試みだろう。
犯人が最初から明かされる 倒叙式 と言えばそうだが、明確に明かす【刑事コロンボ】や【古畑任三郎】とは、また違うタイプの元祖か⁈
実話ミステリーのラジオパーソナリティを務めているビクター(クロード・レインズ)のサプライズ・バースデー・パーティーに招待もされず訪問して来た男、スティーブ(マイケル・ノース)の口から数日前に亡くなったマチルダ(ジョアン・コールフィールド)との関係が告げられるが…。
10数分で、手際良い主要キャラの紹介、スムーズな展開が小気味良い。
早速展開に動きが出始める。
マチルダとビクターの姪、アルセア(オードリー・トッター)は共にオリバー(現アルセアの旦那)を愛した恋敵で今も犬猿の仲だ。
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やがてここにも異変が、、
【幻の女】等の名カメラマン、ウッディ・プレデルの撮影は、机や鏡等の 反射 を利用したショットが何度か出てくるのが、特徴的。
冒頭で、犯人の提示がされているので、犯人探しの楽しみの代わりに、スティーブの動向にスポットが当たる脚本。
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スティーブは、何者⁈目的は⁈
犯人は、邪魔者を次々と消してゆく胸糞野郎。
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当時の金持ちの家にしかない⁈ある物を巧みに使った犯人の【トリック殺人】が中々巧妙。
ブレーキを細工された車で山を下る映像が中々スリリングで怖さを出している(下る前に気づけよ‼︎)。
後半で、スティーブはマチルダに自身の目的、手の内を明かす、、そして、全ての殺人事件の真相も語るのだが、その犯人とは、マチルダが 慕っている人物 だから厄介だ。
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全く疑わないから 忠告を聞き入れず 犯人に近づく、、マチルダは、優しく◯◯◯を◯◯され、、
犯人は、仕事上知り合ったプレス(強面マット・デイモン)という男の弱みを握っている為、犯行に加担させる悪どさ。
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で、スティーブ絶体絶命‼︎
クライマックスは、カーチェイス‼︎
そして、、
ラストは、ラジオ番組の◯◯◯で静かに締めるって、ジェントルだな。
ロス無き脚本で、二転三転、根底には 愛 を敷いたドラマ。
*冒頭の大胆な掟破り演出、黒革手袋、静止状態から、ヌ〜っと動くトラッキングショット等、【サ◯ペリ◯ 2】への影響を勝手に感じた。
*'45年、ルネ監督の【そして誰もいなくなった】同様、当時の音声録音には、レコードが使われていた。
*オマ毛
本作をリメイクするとしたら、
ビクターに ハーヴェイ・カイテル、
マチルダに 前田敦子、
プレスに マット・デイモン、
オリバーに ベネディクト・カンバーバッチか、ベンアフ
他オーディション中〜。