けーご

寫眞館のけーごのレビュー・感想・評価

寫眞館(2013年製作の映画)
4.0
 写真館を営み、日々お客さんを写真に映す男性。ある日女の赤ちゃんを連れた家族が写真を撮りに来るも全く笑わない赤ちゃん。その後も成長する女の子を撮り続けるも全く笑ってくれず。何とかして笑顔を撮ろうと奮闘する写真屋。ーー


本作への一言
『フィルムには一瞬が。積み重なれば一生が』
 この激動の時代でもいいからタイムスリップしてみたい。和装と洋装が入り混じり、西洋からの文化も取り入れつつ日本らしさもそこにある。

 まったりと流れるBGMと1人の女の子に翻弄されながらもベストショットを撮ろうと奮闘する写真屋の男性がマッチしてる。

 しかめ面の赤ちゃんが成長してもなお自分の人生の節目節目にと写真を撮りに来るストーリーで、家族以外でこんなにも一人の人生に密着し、人生の節目を目にすることができる仕事があるんだなと思うと素敵な仕事だと思う。

 写真館と男性が主人公と思い鑑賞していたけど、彼に写真を撮られ続ける女性が生まれてから結婚し子どもをもうけ、戦争でその子に先立たれ、時は流れ女性も写真屋も年老いていく。実は彼女の人生を映し出している作品でもあった。まさに写真は人生の断片をいつまでも残せるものだし、残写真に詰まった思い出もまたいつまでも見る人の心に残り続けるんだなと改めて感じました。

 ラストの一枚の写真を見てなんとも言えない気持ちになりました。
けーご

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