めちゃくちゃ良かった。
この二人は“花束”の状態で恋を終わらせることができたからこそ、美しい思い出になったんだな。
語り過ぎない、かといって音楽に頼りすぎることもない。
セックスばっかりしてるわけでもない。
黙っている時間さえかんぺきだった。
今作は邦題もなかなか良かったんじゃないかと思う。
原題とは全く違うけど、フラニー(演:アン・ハサウェイ)とジェイムズ(ジョニー・フリン)はブルックリンにいるから、恋人でいられたのであって、そこから離れてしまえばそれは成立しえなかった。
それはラストシーンによく表れていて、電車で小旅行程度の距離でもフィラデルフィアまで行ってしまえば思うように会えなかったのが答えだと思う。
ポスタービジュアルも良い。
象徴的なシーンで広告にはぴったりだし、このシーンになったときに「ここか!待ってました!」と興奮した。
ところで、フラニーのキャラクターは恋の始まりから終わりに表れるくらい、都合のよすぎる展開を味方につけている人間な気がした。
創作物とはいえ、ものすごく引き寄せるタイプの人だなぁと思った。
それをあの母親は嫌ってるんだろうな。
完全に弟びいき、精神的に幼くて、フラニーがずっと大人として対応してきたのがあらゆるシーンに表れていた。
ジェイムズがいちはやく察して、フラニーの味方をしてくれたのが救い。
ヘンリー(フラニーの弟)が目を覚ましたのは良かったけど、姉の足かせでしかないなぁという気もする。
起きるタイミングが遅すぎて、フラニーが今までもこうやって我慢したり取りこぼしたりしてきたんじゃないかと思えてしまって渋い顔になってしまった。