むらむら

チェインドのむらむらのレビュー・感想・評価

チェインド(2012年製作の映画)
5.0
アマプラ終了間際に駆け込み視聴した監禁スリラー。

フォローしてるdegさんやYuiさん、440さんなど、アマプラ配信終了間際に、猛者たちから続々とレビューがあがってたので興味もって視聴。結果、めっちゃ面白かった。

ペドロ・アルモドバルの「私が、生きる肌」をちょっとだけ思い出す作品。あ、この作品に黄色いドラえもんは出てきません。

タクシー運転手に、母親と共に誘拐・監禁された少年。母親は殺されるも、少年はラビットと名付けられる。ラビットは、女性をタクシーで攫っては殺し続ける連続殺人鬼ボブの助手として生き延びることを許されたのだ。そしてそのまま10年近くの時が流れ……。

連続殺人鬼ボブを演じるのは、ヴィンセント・ドノフリオ。「フルメタル・ジャケット」で教官シゴかれまくる、ほほえみデブ役が有名だが、この作品でもトラウマ級の経験が、ボブを連続殺人に駆り立てる。ちなみにこの人、同じ年に公開されたホラー「フッテージ」でも、犯罪に詳しい大学教授役でちょっと出演してた。

中盤、トラウマがフラッシュバックして、ボブが身悶えするシーン。

デブのオッサンがベッドに寝転がって、半裸で「うう……ああ……」と苦しみながら、のたうち回る。

一体、どこのニーズに応えたシーンなのだろうか。俺は全くメシマズなのだが……一軒家に誘い込まれて殺される女性たちの苦しみは、ほとんど描写されないのに、オッサンのクネクネに時間裂きすぎ。

青年へと成長したラビットは、ボブの「勉強しろ」という言葉に促され、医学書を与えられ、独学で医学を身に着け始める。

これ以降は実際の作品を観てほしい(アマプラの配信は終わっちゃいましたが)。ラスト15分くらいで、それまでの伏線を物凄い勢いで回収していく。とってもよく出来た脚本。全体としては大変満足の出来。観てよかった。

俺が9年間監禁されてたら、ずっとソファーに寝っ転がってスマホでエロサイトばっかり見てるに違いないので、素直にラビットは凄いと思った。俺だったらボブから「てめー、寝てんじゃねーよ!」ってドツカれまくってる自信あるもの。

しかし気になるのが、警察の無能っぷり。どー考えても、ボブはせっせと100人以上、女性を殺してるような気がするのだが、全くもって警察が捜査している気配がない。おそらく、この作品のロケ地は神奈川県のどこか。

「チェインド」というタイトルは、「鎖に繋がれる」の他に「連鎖」という意味もある。ラビットは鎖と連鎖から逃れられたのか。

それはともかく、色々なfilmarksの方々のレビューのおかげで、この作品にたどり着くことが出来たことを感謝(ヒップホップっぽい言い回し)。

他にも、俺と同様、配信終了間際にfilmarksの方々の後押しで観る人が結構いて、filmarksのヨコの連鎖の力を感じたりしちゃいました。
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