ロビン

チェインドのロビンのレビュー・感想・評価

チェインド(2012年製作の映画)
3.8
評価あまり高くないけれど、個人的にはかなり面白かった!
カメラのアングルや作品全体に醸し出す湿った雰囲気も好み。
やっぱり監督がデビッド・リンチの娘だけのことはある。
女性が殺人鬼のターゲットになってるから、女性が観るとかなり胸糞な描写は多いとは思うけれど。。

母親を殺したサイコパスな殺人鬼のロバートに育てられる子供ティム(ラビット)。
その子供が殺人鬼が殺した死体の後始末の手伝いをさせられる。
ありそうでなかった描写が面白い。
そしてその殺人鬼に捕まって9年間もの間監禁されていた少年。
しかしながら、その殺人鬼も昔父親から受けた虐待がトラウマとなり殺人鬼になってしまったのかな。。
結局この殺人鬼も被害者の1人ってことなんだね。。

劇場中ラビットが「ロバートにずーと殴られてきた」的なセリフがあるけれど、そういう描写ほとんどなくて、むしろロバートが謎の父性に目覚めて謎の愛情をかけているような描写が多い。
(しかしながらラストまで観るとこの謎の愛情や謎の父性は謎じゃなかった!)
なので不思議な気分になってくる。
単純な殺人鬼モノや監禁モノのストーリーじゃない。

そして「なんだこんなオチか」と思ったら予想の上をいった!
ある意味どんでん返し的なオチ!

それと“chaind”はラビットが鎖で繋がれてる監禁ものだからそう付けたのかと思ってたけど、翻訳で調べたら“連鎖的”という意味も含むらしく、連鎖してラビットが殺人鬼になっていくのかもしれないという意味が含まれているのかなと。。

最後まで見ると冒頭のロバートのティムへの「パパが助けてくれると思うのか?」「お前は母親似だな」というセリフがエグい!

それとエンドロールがなかなかセンスあると思った。
不穏な足音とか冷蔵庫を開閉する音、ガレージを開けて車を出す音とかをひたすら流すので色々と想像を掻き立てられる。

【ネタバレ】
  ↓




観ていてロバートは心の底ではラビットに殺されて連続殺人を止めて欲しい気持ちがあったんじゃないかなと。。
たぶんラビットのビデオも見てたし、アンジーをちゃんと殺して後始末したのかをロバートがチェックしないはずがない。
話を振ってラビットがどう出るか様子を伺ったんだろう。
それに殺す気なら車で気絶させるぐらいじゃなく、しっかりと殺していたに違いない。

しかしながら、本当の父親が一番のクソ野郎だったとはかなりの驚きだった。
そしてある意味育ての親と実の親を殺して、殺しの味を知ったティムの今後はやはり。。
もし彼が殺人鬼になったとしてもターゲットは女性じゃなく、父親世代のクソ野郎を殺すんじゃないのかなと思ったりする。。
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