彦次郎

チェインドの彦次郎のレビュー・感想・評価

チェインド(2012年製作の映画)
3.7
タクシーの運転手に母親を殺され長年監禁同居される事になった少年ラビット(勝手に命名され後に青年になる)を描いたサスペンス。
同居するおっさんは女性(主に娼婦)狙いという卑劣さですが彼もまた父親からの連鎖で今に至る負の歴史があります。少年は殺さずに医学書を渡したり一緒に獲物探しに連れていったり殺人教唆したりと中々の鬼畜ぶりですが終盤に真相が分かると更に吐き気を催しそうな邪悪さが露呈されます。殺人鬼が悪であるのは当然の事としても真の加害者の非人間性には震えがきました。
医学書を熟読して致命傷回避術を会得するところも色々と裏読み出来ますが優れた医療者となり得る人材にはなりそうなところ闇の世界へと至る道のりは憂鬱そのもの。
音声で視聴者の想像に任せるエンドロールはリドルストーリー的で斬新だと思います。
彦次郎

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