siorinn汐鈴

トパーズのsiorinn汐鈴のレビュー・感想・評価

トパーズ(1991年製作の映画)
3.0
【カナザワ映画祭】死と禁忌にて。

おお…
1992年の映画ですが、、何といいますか、昭和の香り漂う…
小説が上梓されたのは1988年だから、そんな時代を反映したのもあるのでしょうね。

22歳の主人公が持つには不釣り合いな、大きなヴィトンのボストン(エピの赤ですよね…)その中身は…

この主人公アイは清楚な美人で手話を習い、ボランティアで聾唖の子供達のために披露しようと練習する。

その一方で都内の高級ホテルに出張し、男性の欲望を満たす仕事もする。

これも見た目と実像の不釣り合いさ、彼女の恋愛もそう、傍目から見るものと、実際。

人は幾つの仮面をかぶり、その心はどこにあるのか。

答えはさらりと、SMの女王(天野小夜子、これまた主役を喰ってしまう存在感)が話してしまう。中身のない世界、そこに生きるものたちから搾取すること。

彼女が出てきたところで終結させてもいいかなと思えるくだり。
ラストに向けてはやや弱く、少し蛇足感が否めないのは残念だけれど、あの、島田雅彦先生(見た瞬間絶句、彼には黒歴史でしょうなコレ)占い師草間彌生大先生、加納典明…素ですか…村上龍の人脈を改めて。
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