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8月の家族たちのKのネタバレレビュー・内容・結末

8月の家族たち(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

元々機能不全の危ういバランスだったそれぞれがかなり我の強い家族が集まり決定的に崩壊する。

途中「先住民を排除してこんなところにわざわざ住むなんて…」と言うセリフがあるが
唯一まともなのが先住民のお手伝いさんで、このお手伝いさんの視点から「先祖の土地を奪ってわざわざ住んでこれかよ…」って観るのが一番ブラックコメディとして成立しやすいのかも

親の葬式に来た筈がもうめちゃくちゃ、エゴのぶつかり合いで遠慮も何もあったもんじゃ無い。
それぞれがそれぞれに過剰なのである。
当初神妙な面持ちの登場でまともなのかと思っていた亡き父ベバリーも、その実呆れた浮気男だった。

母バイオレットに至っては薬がガンギマリで娘をなじりまくり、しかもそれがやたらと勘が鋭く的を外さない。
孤独と死の不安がねじれた形の怒りになって噴火の様に噴き出して夫の不貞にも耐えて維持した筈の家庭を全て焼き尽くす。

エミー賞とピュリッツァー賞を獲得した舞台の映画化でどれほどのプレッシャーかと思うが、ジュリア・ロバーツ、メリル・ストリープら俳優陣はいずれも力強く流石だと思った。

前半にいくつも布石があったようでもう一度見直したい。

あと、なんとなくだが、この家族はいずれまた集まるのでは無いかと思った
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