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8月の家族たちのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

8月の家族たち(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

祖父の葬儀に集まる家族の話。

まずは豪華キャストが目を引く本作。
メリル・ストリープやジュリア・ロバーツといったオスカー女優に加え、ユアン・マクレガーやジュリエット・ルイスら実力派俳優も揃い、とにかくまぁ彼らの演技合戦は見応えがありましたね。

個人的に驚いたのは、ベネディクト・カンバーバッチ。
まさか、この人まで登場するとは思わなかったし、彼が無職のダメ人間を演じているのも意外性があるところ。
インテリの権化みたいな役柄ばっかりやってるイメージがありましたが、本作ではちゃんとダメな人に見えたし、いやはや改めて俳優は凄いなと思わされました。

物語的には、それぞれに問題や秘密を抱えた家族同士の摩擦や衝突が描かれます。
家族間の微妙な諍いや擦れ違いを描く辺りは、是枝裕和作品を想起したりもしましたが、本作に関してはメリル・ストリープの毒親っぷりが強烈。
元々そういう人だったんでしょうけど、夫に先立たれ、更には病気と薬の影響で自暴自棄がエスカレートしてしまったのでしょう。

中でも本作のハイライトとなるのが、中盤にある家族揃っての食事シーン。
苛立ちや蔑み、不快さや気まずさなど、なかなかに地獄の時間を味わう事が出来ました。
コメディーと言っても、酷過ぎて笑うしかない…みたいなトラジコメディーな笑いなので、中には笑えない人もいると思いますが、個人的には結構笑わせてもらいましたよ。

物語が進むと、メリル・ストリープの母親もまた酷い毒親だった事が分かるわけですが、毒親という呪いの継承が一つのテーマだったのかな?
ラスト、ジュリア・ロバーツが母親の元を去る事で、この呪いが断ち切られた事を願うばかりです。
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