こまち

8月の家族たちのこまちのレビュー・感想・評価

8月の家族たち(2013年製作の映画)
3.9
父親の失踪をきっかけに、残された母の元に親戚たちが集まるが…

久々の再会で、張り詰めた空気が限界に達したとき一気に破裂するように、毒舌の母親の攻撃からそれぞれ言い合いや暴露が始まってしまう。

家族だからこそ言えない、隠しておきたい秘密がそれぞれにあり、明らかにされていくことが全部重くて衝撃。
でも愛ゆえに言わないようにしていることもある。愛なのか裏切りなのか。
(書いてるうちに色々考えていると自分も含め人間なんて愚かでちっぽけだなと思ってしまうけど、そんなことで躍起になるからこそ人間って面白い。)

体裁的に親戚で集まろうということでみんな集まると、妙に居心地悪い独特の雰囲気があって、それが爆発したような作品だった。

最初は普通に話してたのに、急に揉め始めるあれは何なのだろう、、、普段は自分の子供の親だけど、自分の親の前ではその人も子供の立場になるし、他の兄弟や親戚も然り、そういう関係の複雑さが余計に拍車をかけてるのか…
子供ながらに感じていた親戚の違和感が表されているようで、家族や親戚関係の洞察が深いなと思った。

イベントがあれば必ず集合するような仲良い親戚関係を築いてきた人にとっては、別世界のように見えるかもしれない。

とにかく俳優さんたちの演技が迫真的だった。
収まりのいいラストではないが、またみんな同じ場所に戻ってくるんだろうと思った。家族って生まれた瞬間に属することになる集団なのに、というかそれ故に?不思議。。。
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