家族だからこそ優しくなれない。家族だからこそ本当のことが言えない。家族だからこそ素直になれない。家族だからこそ罵りあいいがみ合う……。家族というのは厄介だ。関係を切りたくても切れないだけに、相性が悪かったりすると最悪だ。ましてやそれが肉親だったりすると、しかもそれが実の母娘だったりすると、もうそれはこの世で一番厄介な人間関係かもしれない。
一度こじれた関係の修復は難しい。冷静で合理的な解決策を模索しようとしても、この人間関係でそれは無理。感情的になるのを押さえることは出来ない。そして何より、どんなに対立していようと、互いが互いを愛しているだけに、この関係は最悪に始末が悪い。
決して他人事ではなく、珍しいことでもないこんな話を、メリル・ストリープとジュリア・ロバーツが演るのだ。面白くないワケが無い。