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8月の家族たちのTJのレビュー・感想・評価

8月の家族たち(2013年製作の映画)
3.5
距離が近ければ離れたらいい。いっそ縁を切れたら楽だけどそれが出来ない機能不全な家族。

ズタズタに傷つけ合う姿に同情し腹がたち、それでもハッピーエンドに期待してしまう…チャップリンの有名な言葉を借りると確かにこの作品は喜劇でした。

ユーザーの皆さんの評価がバラバラだったので楽しみだった作品。誰にでもある家族の問題、目を背けたくなる過去をたくさん纏めてざーっと並べたようなお話。

コメディなら座長のメリルにハマれるかどうかでこの作品の評価は変わってくるのかな?不快指数高めなキャラが揃ってますが、人物よりその性格が作られてしまった経緯が軒並み悲しかった。

自分も嫌な性格ほどどこか親に似ているように思え、この作品では犬猿の仲の母娘メリルとジュリアの口撃性なんて本物の親子みたい。彼女たちをはじめ豪華俳優陣が作り上げた微妙な距離感と変わった個性にあっぱれです(・Д・)ノ

団員に見放される座長にポップなBGMというギャップが非情でしたが、そこで終わらせないラストに驚き。バーバラはどう思いあの後家族はどうなったんやろう。。

よくある美しい家族の在り方を見せる作品のあえて真逆を走ったような展開が、こういう家族もあるんだよって時に激しく時に繊細に教えてくれるようでした。愛憎ってこういうことやね。訓戒になりました。。
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