世界の不公正に抵抗し続けた93歳のステファン・エセルの書いた32ページの書「怒れ!憤れ!」をトニー・ガトリフ監督が映像化。
このエッセイは450万冊以上売り上げ、世界中の若者の心を動かし、スペイン抗議運動やアラブの春にも繋がったと言われています。
アフリカの少女が、ギリシャ、パリ、スペインへ。強制退去され、送還され、たどり着いた先で見たものは、路上で寝泊まりする不法移民者、そして若者たちの大規模な集会だった…。少女のパートはドラマ、デモは実写です。
力強いタイポグラフィ、映像と音楽で魅せるガトリフ監督らしいメッセージ。坂を転がり船に落ちて行く大量のオレンジは不法移民者であり、若者たちの怒りのメタファーかな。エセル氏の書を映画化したいというガトリフ監督の熱量は伝わった。
「人間は誰も違法ではない」
「つなぐ手が私たちの武器」
「真の民主主義を!」
日本も人ごとではない。
ステファン・エセル氏を知れてよかったです。
✴︎マツタクさん、ありがとうございました✴︎
📌覚え書き
・ステファン・エセルの生い立ち
対ナチスのレジスタンス活動でゲシュタポに逮捕され、強制収容所に送られるが絞首刑寸前に脱走し、生き延びる。戦後は外交官を務め、引退後は社会的弱者のために闘い続ける。
・「怒れ!憤れ!」について
2010年に発行された「怒れ!憤れ!」はわずか32ページで安価だったため、若い人々の間で流行。銀行の不正、経済格差に危機を感じる時代の聖典となり、若者たちの抗議運動のきっかけとなった。翌年2011年にスペイン、パリ、ギリシャなどヨーロッパでエセルに影響を受けた若者による大規模な集会やデモが行われた。