るう

怒れ!憤れ!-ステファン・エセルの遺言-のるうのレビュー・感想・評価

3.7
ガトリフ監督が大好きだ。この映画はガトリフ監督が、自身のルーツ(ロマの血を引いていることから、さすらうことや音楽と共に生活があること、差別とは?、マイノリティとは?などなど)の探求という命題を注入した作品を、ねちねちと作り続けてきたことを知らないと「はにゃっ??」となること間違いなしだ。私の勉強不足でエセル氏のことはさっぱり知らないのだけど、触発された監督が、「怒れ!」に書いてあるように、現実に人々は怒り始めてるし、もっと行動しようよ!この少女の明日をあなたは変えられるかも知れないよ、そして明日のあなたの姿かもしれないよ!と、言いたいが為に現実のデモ映像をフィクションで団子のように串に刺してまとめた的に思えたが、ちょっと無理してる感じは否めない。また映像にはそれほど特徴はないのに毎回音楽力が半端なく、今回も炸裂していて、音楽と合わさるとえらいかっこいい。ファンは相変わらずのガトリフ節でおーらいだろうが、一見さんが首をひねってもしょがない内容。ファンの言い訳だけど、彼の視点はいつも優しく、浸っているとたまらない。常にマイノリティ側の視点が多く(または全編ロマ)、彼自身がマイノリティ側に立っていることはこの作品を観てもはっきりしている。奇しくもチュニジアでテロがあったばかりだけど、殆どの人は暴力なんて望んでいないだろう。ただ食べ物と仕事が欲しいだけ。デモは非暴力であってこそ。あのエネルギーを美しいと思う、その思いだけで作品にしてしまうパワーには脱帽。デモは民主主義の花だ、とは誰の言葉だっけ…。頼むから未公開もDVD化して~~(泣)
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