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怒れ!憤れ!-ステファン・エセルの遺言-のchiyoのレビュー・感想・評価

2.0
2014/4/10
元レジスタンス闘士の著書を元に、アフリカからヨーロッパにやって来た少女のドラマ、スペインで実際にあったデモの様子を映し出したドキュメンタリー、そのふたつを融合させた作り。が、基本的には映像と音楽で感覚に訴えかけてくるばかりで、時折り提示されるエセルの言葉はあまり響いてこなかった。恐らく、デモという行動そのものに不馴れで、どこかのお祭りを見ているように思えたのが原因。ただ、チュニジアで焼身自殺した青果商人モハメドを象徴している、大量のオレンジが坂を転がり下りていくシーンは印象的。たったひとつの空き缶が坂を転がり下りても簡単に止められるけれど、大量のオレンジは誰にも止めることは出来ない。このシーンは、ひとりよりも皆で、というデモの精神に通じるものがある気がした。力強い音楽と「きっとうまくいく」の言葉はあるものの、少女の今後がかなり気掛かり。
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