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僕がジョンと呼ばれるまでのmakoのレビュー・感想・評価

僕がジョンと呼ばれるまで(2013年製作の映画)
4.0
当初、観るか迷っていました。
でもラジオで監督さんのお話を聴いて興味がわき鑑賞しました。
仙台放送の番組内で放送しようとしていたそうですが、テレビだけではもったいないということで映画にしたそうです。

平均年齢80歳以上の入居者のほとんどが認知症を患うアメリカ・オハイオ州の高齢者介護施設。
認知症の方々が学習療法を半年続けて、徐々に改善されていく姿に私もなんだか嬉しい気持ちになりました。
認知症により自分の名前も書けず、会話も噛み合わない、表情が乏しかったエブリン(93歳)が徐々に表情がいきいきしだし、会話が普通にできていく。すごい成果だと思いました。

この学習療法は、「脳トレ」ブームの立役者である東北大学•川島隆太教授と、公文教育研究会、介護現場の協力によって生まれた認知症改善プログラムのこと。認知機能が衰えはじめた高齢者とスタッフが、対面でコミュニケーションを取りながら、簡単な「読み」「書き」「計算」を行うものです。
私は以前、日本の介護施設でこの学習療法を実践し成果を上げているというのをテレビで観たことがありました。その時も認知症が改善されるなんてすごいなと思いましたが、今作は半年間の過程を観ることができたので、その過程と成果に驚きました。
エブリンだけではなく、他の認知症のおばあちゃんたちやその家族も紹介されています。

スタッフのジョンが自分の名前を教えても5分後に、「僕の名前を知っていますか?」と尋ねると「知らない」と答えていたのに、学習療法を半年続けたらジョンと答えることができた。半年でここまで改善できるなんて驚きです。
認知症は改善されない病気で恐ろしいと思っていましたがこのドキュメンタリーを観て改善できるんだと希望が持てました。認知症に罹った本人だけでなく、家族も笑顔に変えることができる素晴らしい取り組みだと思いました。
多くの人がこの学習療法ができたらいいのになと思いました。
日本ではこの学習療法を1万8000人以上が実践しているそうです。
認知症だから観るのをやめようと思いましたが観てよかったです。


劇場鑑賞 #46
2019 #69
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