皿鉢小鉢てんりしんり

たまこラブストーリーの皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

たまこラブストーリー(2014年製作の映画)
3.5
宮崎駿が『めぞん一刻』を、こんなもん押し倒して終わりだろと一蹴した、と押井守が言っていた(のを信じていいのかは置いといて)が、これもまさしくそういうお話である。テレビアニメで延々やってくれるのは良いんだけど、長編映画でそれは……
もちろん『リズと青い鳥』よりは遥かに良く、足のアップがちゃんとキャラクターを描写することに繋がってる。今作はお洒落レコードショップで水槽にクリオネが飼われており、相変わらず水槽に幻想持ちすぎだとは思う。

たまこが発表会でバトンをキャッチできたことに自分で驚いてるのはとても良かった。完璧にこなしたのに、(宇多丸風に言えば)ほつれが出るのが可愛い。
最後の糸電話は、両者の間に何も隔てるものがないのにわざわざ糸電話、というのがどうも茶番感が過ぎる。ラストの切れ味はまあ良いが……

あとみどりちゃん、実は転校じゃなくて見学だけってネタばらしがちょっと早すぎるんじゃなかろうか。ラストカットあれにするために、もち蔵から言われて気づくをやりたくないのは分かるが、もう少し観客とたまこが同じ嘘に騙されてる時間は共有できた方が良いと思う。

世界史の授業らしきシーンで、オスマン帝国が……でたまこの意識が遠のき、我に帰るとフランス革命の話になっている。絶対同じ授業なわけない。一体どれほどの間意識が遠のいていたんだろうか?