アルバトロスを代表するホラー映画。
クソ映画だと思ったら悪くない作品。
過去に一度鑑賞して面白いと思い、
レビューを書く為にもう一度借り、
今回の為に三度借りたほどである。
それほどに本作は意外な掘り出し物。
アルバトロスはたまに良作を提供し、
いい意味で期待を裏切ってくれます。
その代表が『案山子男』だ。
主人公のレスターは冴えない高校生で、
クラスメイトならば分かるだろうけど、
まさか先生やバイト先に牧師までもが、
彼をひどく虐めるという過剰な演出だ。
理由はレスターの性格と生活環境。
とろくて滑舌の悪いしゃべり方に、
淫乱な母とトレーラーハウス住み。
これだけで虐めの対象になります。
更に優しくした女性に贈り物する。
得意の絵で気持ちを伝えているが、
確かにちょっとばかり気持ち悪い。
そのレスターは虐めた相手を殺す妄想をします。
自分を虐めたヤツらを殺す妄想を何度もします。
ただ、そんなレスターに優しくするのはジュディ。
他の人間とは違って素のまま生きているジュディ。
だが、パーティでハメ外し勘違いされるジュディ。
そして、レスターは殺される。
逆上した母親の男に殺される。
呆気なくレスターは殺される。
葬儀に出席したのはジュディだけ。
これにより正式にヒロインになる。
あまりにも悲しすぎるレスター。
そのレスターは華麗に復活する。
案山子の足下で死んだレスター。
そのレスターは案山子男となる。
欠点だらけだったレスターの見事な復活。
彼が持っていた内なる負の力を解放して、
滑舌が良くなって性格も冷酷非道になり、
妄想だった復讐を実際に始めるのである。
数多くいる存在する有名な殺人鬼。
・ブギーマン。
・レザーフェイス。
・ジェイソン。
・フレディ。
・ゴーストフェイス。
殺人鬼たちに引けを取っていない。
案山子男の持っている能力。
・中身は藁だから身軽
・藁だから銃撃は無効
・武器は稲刈り用の鎌
・饒舌なるしゃべり方
・愉快で脳天気な性格
・容赦しない殺害方法
・藁だから火には弱い
もはやレスターの面影なし。
だけど、案山子男になったレスター。
まだ善良な意識が残っていた案山子。
藁の中身とレスターの意識が戦って、
案山子男の中で葛藤が生まれていく。
王道的な殺人鬼の映画で、
90分以内に収まる尺で、
分かりやすいストーリー。
予算がちゃんとあれば、
有名な殺人鬼になっていた。
それだけは実に惜しい。
「レスター、レスター、レスター出てこい」
RE-143