茜

案山子男の茜のレビュー・感想・評価

案山子男(2002年製作の映画)
1.8
ひえー、これが三作もシリーズ化してるってマジですかい。
くだらなくて面白いっていう感想も分かるけど、個人的には何がしたいのか分かんなくて全部が中途半端な印象。

前半では主人公の悲惨な日常をたっぷり尺を取って見せてくる。
典型的いじめられっ子の主人公は、学校ではいじめられ先生からも酷い扱いを受け、バイト先でも店長に嫌われ、家ではビッチな母親とその愛人にバカにされる日々。
これだけ見るとまぁ可哀想なんだけど、唯一自分をかばってくれた女子への距離の詰め方がえげつなくて正直「うーん、こりゃキツい」となる…。

んで後半からは何やかんやあって案山子男になった主人公の復讐が始まる…と言いたいところだけど爽快リベンジ劇って訳でもなく。
自分を苦しめた人だけじゃなく、全く関係ない人間ですら何の理由もなく殺すのでもう話の主旨が分からん。
途中で主人公の自我が出てきて「もう人を殺したくない」と葛藤するシーンもあるんだけど、それも結局その後に何も活かされない。
純粋に復讐を描くなら前半のストーリーも活きるけどそうではないし、憎しみに囚われ殺戮マシーンと化す主人公の悲哀がある訳でもなく、終わりもあっけなさすぎて脳内が「?」でいっぱいになる。
この映画が案山子男を一体どういうキャラに仕立て上げたいのかが全く伝わって来んのですわ。

キルシーンのテンションだけは以前見た「デスバーガー」っぽくてちょっと面白かったけど…それなら「デスバーガー」の陽気なピエロちゃんでいいよねぇ。
続編にどう繋げるのかが気になるので何やかんやそのうち2を観てしまいそうなのがちょっと悔しい。
茜