学校で悲惨な虐めにあっているレスター。
母親は年中男を連れ込む始末。
そんな行き場のない怒りを母親の愛人へとぶつけるが…。
不条理には不条理を、復讐のトウモロコシ畑ホラー。
フランス人映画監督エマニュエル・イティエが8日で撮影したホラー映画です。
内容は、どー見ても高校生じゃないイジメられっ子が案山子と合体し、案山子男として復讐を開始する超「怒」級スプラッタホラーって感じ。
「カカシオトコ」と読むはずなのに、某ツタヤでは必ずホラーコーナーの「ア行」に並んでいます。
物凄いB級ホラー(いやC級?)を忠実にいってる作品。
80年代ホラーを思い出させる感じで個人的には好きです。
エピソード、絵ともに丁寧に丁寧に撮られている。
しかし、その丁寧な仕事振りが微妙に「○○大学映画研究会」風味なのは気のせいだろうか?
爽快感なんかは期待できませんが、B級スプラッターホラー好きな方は大丈夫かも知れません。
だけど、いじめっ子だけを殺すかと思いきやそうでもなく…。
いじめられっこの復讐話と思いきや、その子の魂を使って蘇った悪魔の惨殺劇というか…。
そしてお喋りが煩いって理由で殺された青年がかわいそうな感じ。
身近にあるあんな道具やこんな食べ物で、戦慄の殺害行動に出る案山子。
凶器にとうもろこしを利用するという斬新な発想。
なぜか登場する時に宙返りしながら登場するし、車で逃げられた時にはバック転しながら追ってくる。
こんだけ運動神経よければ人気者なんじゃないか?
実際、「案山子男」の風体は怖そうなのに、やたらフランクですぐに友達になれそうな親近感を醸し出してます。
言うことありません。
また、主人公がトレーラー暮らしというのがなんとも風情あふれるアメリカン。
しかし俳優のビジュアルと演技はけっこうザル。
主人公の高校生がどう見てもオッサンだし、母親と同い年くらいに見える。
心臓をブチ抜かれたはずの死体がよくみたら息しちゃってるし、実は生きてる設定なのかと思いました(´д`)
だけど外国の案山子ってあんなに恐ろしい見てくれなのかい??
動いてなくても充分怖いよ…。
そして物語が終わり、エンドロールが流れ…と思いきや画面いっぱいに大きな字で
「 巨 匠 ダ リ オ ・ ア ル ジ ェ ン ト に こ の 作 品 を 捧 ぐ 」
見てた中で、一番ココがツボに入った。
まあさ、書きたい気持ちは充分わかるけどさ、ダリオ・アルジェントだってこんな作品捧ぐとか言われても困るだろうよ(爆 )
誰かをイジメた事のある人、または現在誰かをイジメている人は絶対に観たほうがイイ映画です。
そんな人の所に案山子男は必ず来ますよ。
ホラもうキミの後ろに…