緑

「エロ事師たち」より 人類学入門の緑のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

神保町シアター「辛口喜劇のススメ」特集。
当然「辛口喜劇」を観に行ったはずなのに
ホラーを観せられた。(文句ではない)

春が緒方に見せた「権利書」
もとい両目に待針刺しまくりの娘の顔写真には、
怖すぎて変な声が出そうになった。
それがなくても春の息子への執着や
緒方への女の業のぶつけ方はホラーだし、
春亡き後の緒方のドール作成は
抱き心地無視で春に似せることのみを
目的としているような造形で、
しかも生々しく似ていてホラー。

原作既読だけど昔過ぎて詳細は忘却。
でもホラー展開ではなかったはず。

エロ事師が手掛けるエロは、
ブルーフィルム/エロテープ/
今で言うアイコラエロ写真/
売春斡旋/乱交パーティ/ラブドール。
手を変え品を変え、
どのエロも現在まで進化しながら
連綿と続いていて、
人間って変わんないなというか、
飽くなき欲望すげーなと思う。

精薄の娘と共にブルーフィルムに
出ようとする父親が本作一のマジキチ。
当時は笑いどころだったろうか。
現代では……。

「ごちゃごちゃパーティ」
もとい乱交パーティへの
緒方の評は「民主主義の履き違え」。
言葉の硬さとおま言う加減で
ここも笑いどころなのだろうが、
なんだか少し考えさせられなくもない。

ガラス越しのカット多数。
観客に俯瞰を自覚させるためだろうか。
タイトルの「入門」に関連している気がした。

水槽の鮒に「うなぎ」を思い出し、
春の娘の中学時代のメンタルに
「マル秘色情めす市場」を思い出した。

演出に田中登の名前あり。
緑