上海十月

「エロ事師たち」より 人類学入門の上海十月のレビュー・感想・評価

5.0
英語のタイトルは、「The Pornographers」だ。英語だとかっこよすぎる感じもしますが。床屋とフナが出てきて晩年の「うなぎ」を思い出し、競艇場と仏壇が自然に開くシーンは、「復讐するは我にあり」を思い出させ、監督の表現は、そんなに変わり映えしないもんだと思いました。それは、それで意味があるんですけど。小沢昭一の見事な演技でエロな事がだんだん崇高に思えてくるのが不思議だ。ズブやんのトラウマも織り込み人間の心の奥底にある性と生そして死を面白く、悲しく、崇高に描く傑作。タブーの垣根が低くなった現代において、ここまで人間性に迫ることが可能だろうか。やったとしても、単なるエロ映画に終わるだろう。こんな映画は、観た事がない。
上海十月

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